偶々残暑ぶり返し、凌ぎ難き暑さを感ずと云えども時は既に九月なれば、
海水浴にはちと遅く、機を失した感ありて、
人気の退き空いた海中に処暑にと潜りたるうさ犬お兄ちゃんがほんまるが、
ご自慢のうさ耳で海中背泳ぎにて悠々漫然たれば、
行く先に仄白く光る影ありて、
此処はこの時期既に我等が縄張りとて、大発生の海月連の一閃必殺の武器を彼のうさ耳に見舞えば、
憐れご自慢のうさ耳も左右が大きく張り出して、頭上に大きく丸く晴れ上がり、
まるでシルエットだけは世界の大スター、ミッキー・マウスの如くあるも、
当のご本人は浮かれるどころか気付くはずもなく、
手当てのスモモお姉ちゃんの膝で泣く許りにて御座候。(2006/8/30)